企画提案者の思い

■企画提案者
〜出雲大社相模分祠 草山清和分祠長

【 美味しいお豆腐で人をつなぐ、心をつなぐこと 】

ここ最近、「夏越の祓」という行事が、日本各地の神社で行われるようになりました。
茅の葉を編んで、「茅の輪」をつくり、それを8の字に回って長生きしますようにとお祈りする行事です。

これを行うのは、1年のちょうど半分にあたる6月の晦日(30日)です。

8の字に回るのは、メビウスの輪と同じで、命が永らえるようにということを意味しています。
そうして罪や穢れを祓い、私たちの命が代々、つながるようにと行われるものです。

(また、昔はちょうどこの時期に疫病が流行ったことと、夏の暑さで命を失うことが多かったということで、
「夏越の祓」の時に人型をつくり、自分の罪や穢れをその人型に乗せて川に流しました。)

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命が永らえるという話をしますと、「私たちの命は永遠ではなく、どんなに生きても100年でしょう」と
言われる方もありますが、私たちの命は自分たちの子孫や孫に、
思いは周りの人たちにつなげていくことができます。

それが、「私たちの思いをつなげる」ということであって、命がずっとつながるという意味です。

1人の命がつながるというのではなく、「私たちの命をつなげていく」ということです。

その「命をつなげる」ことには、必ず心がなくてはなりません。
私たちは心をつなげていかなければならないのです。

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また、“ただ売る”とか“ただ食べる”とかではなく、食べ物の中に隠された思いがあって、その思いをお客様に
是非わかっていただきながら、お互いに心をつないでいくような仕事をしていきたいと思います。

お豆腐はずっと健康を守ってくれますし、日本の津々浦々で、お豆腐を食べながら
・思いを語りながら生きる時間があれば、作る人も食べた人も幸せになれると思います。

豆腐という日本に古くからある食べ物を媒介に、家族で囲んだり、語らったりして、
一つ一つの家が温かく過ごせるというのであれば、どんなにいいことでしょう。

そんな事を思っていたとき、ある文献に「豆腐は身を清める」と記されていたのを見つけまして
そこから、『“夏越”に“お豆腐”で身を清めましょう!』という行事を、ご提案申し上げた次第です。